市場調査

私の自宅から徒歩2分程の位置に10人も入れば満員になる老夫婦が営む骨董的価値のある居酒屋がある。

客筋は99%常連客で年齢層も平均値70歳前位だろうか。 職業も大学教授、会社社長、役員、医者、自営、金利生活者と多種多様でサラリーマンはいない。お店の料理は美味しくて、料理を堪能しに来ているのかと言えば決してそうではない。

酒を酌み交わし、互いの近況を語り合い、時事ネタで政府や代議士の無能ぶりを確信し合ったりと、酒のつまみには困らないのです。

皆さん年齢も高いですし、比較的に時間の融通効く立場にあって趣味も幅広く、温泉旅行、山登り、コルフ、美術館、観劇鑑賞と大いに人生満喫していらっしゃいますね。

寂しい老人コミュニティー等とは程遠い活気と熱気で沸騰した空気に、初めて足を踏み入れた一見さんは、圧倒されている様に見受けられました。店は、ほぼ毎日満員で入店出来ないことも珍しい事ではないのです。

仮に1週間も顔を見せないと、客同志で心配し合うのでした。 生存確認の場でもある一面をもっているのでしょう。 そんなお店にも関わらず、女性客も多いのですよ。

客同志が強く引き付け合う何か不思議な存在のお店なのです。 私は自宅からその店へ出向く時、家内に「市場調査に行って来る」と出掛けるのでした。

次回につづく。

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